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激映画批評

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◆世界一の美中年に学ぶ格好よさ(55点)

 前回紹介した「友よ、さらばと言おう」はフランス製、"息子を救うオヤジ・アクション"だった。子供のためならエンヤコラ、のヨイトマケイズムは、やはり若者よりも中年向けの涙腺刺激テーマの王道といえる。
一方「バトルフロント」(100分、アメリカ)は、本場ハリウッドが送る、"娘を救うオヤジ・アクション"だ。短い上映時間も小気味いいアクションも同様、さらに、アメリカらしさを色濃く感じる一本であった。
元麻薬潜入捜査官のフィル(ジェイソン・ステイサム)は、長き潜入捜査が苦い結末を迎えたことが原因で、一人娘マディ(イザベラ・ヴィドヴィッチ)とともに亡き妻の田舎で身分を隠して暮らすことになった。ところがちょっとした住民トラブルが麻薬密売人ゲイター(ジェームズ・フランコ)を巻き込む騒動に発展。穏やかな暮らしを望むフィルの思いとは裏腹に、争いはやがて命がけの戦いへとエスカレートしてしまうのだった。
このアメリカ製アクションの特徴は、なんといっても主人公が世界一のイケメン中年、ジェイソン・ステイサムということだ。しかも彼がこうした「善きパパ」を演じるのは初めて。なぜ初めてかというと、そういう役柄には向いていないと今まで思われていたからであり、それは本作を見ても正直拭い去れぬ事実だなと感じざるを得ない。やはりこの役者は、幼女よりはセクシーな美女を守るほうが似合っている。
とはいえ、毛髪がなくとも世界一のイケメンである奇跡を体現する男の映画となれば、とりあえずは見る価値がある。特に本作は、初の役柄ということで彼のファッションにも注目してほしいところ。これまではダークスーツに白シャツ、ノータイまたはブラックのタイというシックの極みのような服装が多かった。マッチョな肉体のラインをスリムフィットなスタイルで見せるその着こなしは、全中年が参考にすべき格好良さであった。
だがこの映画では、安っぽいキャップにチェックの綿フランネルシャツと、そのまま秋葉原に直行というべきコテコテのアメカジスタイル。帽子のアジャスターも開き気味で、けっして頭が小さいわけではなかったんだなと、そんなところまで見えてしまう。おしゃれな要素はみじんもない。
しかし、である。前回のフランスオヤジ同様、これがまたなんとも味わい深い格好よさを醸し出している。着用アイテムではなく、大切なのは物腰。女性は決して美人でなくともそれが洗練されていると美しく見えるものだが、男も同じ。そんな事を気づかせてくれる、世界一のイケメンに感謝感謝、である。

■作品データ
バトルフロント

Homefront
2014年8月9日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー!
2013年/アメリカ/カラー/100分
配給:ショウゲート

スタッフ
監督ゲイリー・フレダー 製作ケビン・キング=テンプルトン
シルベスター・スタローン
ジョン・トンプソン
製作総指揮アビ・ラーナー
トレバー・ショート
ボアズ・デビッドソン
レネ・ベッソン
マーク・ギル
ジェームズ・D・スターン
ダグラス・E・ハンセン
原作チャック・ローガン脚本シルベスター・スタローン撮影テオ・バン・デ・サンド美術グレッグ・ベリー衣装ケリ・ジョーンズ編集パドレイク・マッキンリー音楽マーク・アイシャム

キャスト
ジェイソン・ステイサム
ジェームズ・フランコ
ウィノナ・ライダー
ケイト・ボスワース
ラシェル・ルフェーブル
フランク・グリロ
クランシー・ブラウン
イザベラ・ビドビッチ













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