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◆初のダブル主演作で快調なアクションをみせるシュワ&スタローン(80点)

 シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー。いうまでもなく筋肉と火薬弾薬の量で競い合った80年代を代表する2代アクションスターだ。アメリカンドリームの体現者にしてはまり役にも恵まれ、挙句の果てには相手の奥さん(スタローンの元妻ブリジット・ニールセン)と浮気するなど女の好みまで似ている二人。
だがこうして初のダブル主演作「大脱出」(113分、アメリカ)を見ると、二人の個性がまったく異なることがよくわかる。つたない演技力ながら役作りに必死なスタローンと、鷹揚でひょうひょうとしているシュワルツェネッガー。少なくともスクリーンの中ではいつもストイックに見えるスタローンが、能天気な元知事を引っ張る形になるのは当然だし、意外にもよく似合っている。
二人が演じるのは難攻不落の民間監獄「墓場」の脱獄を狙う囚人ペア。といってもスタローンは本物の囚人ではなく刑務所の内部から弱点を探るセキュリティコンサルタントだ。ところが今回は依頼主に裏切られ、本当に閉じ込められてしまう。そんな彼を助ける囚人側のボスがシュワ、といった胸躍る設定。
なにより内輪なコメディパートに逃げず、まじめ一徹にアクション映画を「演じる」二人の姿に好感が持てる。むろん、両者のファンには「それをやるか」と思わず手をたたきたくなる納得の見せ場も用意されている。「エクスペンダブルズ」シリーズでベテラン再生というべき往年のアクションスターの起用を見せているスタローンだが、今回は監督をミカエル・ハフストロームに任せ、出演に徹したのが正解であった。
唯一の問題は、刑務所の構造についての致命的ネタバレをオフィシャル予告編はじめあちこちで平気で行っていること。そこをバラしちゃダメでしょうと、映画を見れば誰でもわかることをなぜやるのか。そもそもそんな小ネタ、伏せていても十分集客できる二人でしょう……といいたいが、最近は案外そうでもない。
二人ともにかつての勢い、興行力は消え失せた。製作費だって、2000万ドルをはるかに超えるといわれた最盛期のギャラ一人分程度でしかないわけだが、しかしこいつは意外といける。話題性先行の映画化と思われがちだが、先ほどのミカエル・ハフストローム監督の力量か、社会性を加味した大人もみられるまともなアクション映画になっている。ビッグ2の競演だけが魅力の映画になっていない。。
これだけの大物をそろえてしまうと、かえってそれは簡単そうで難しいことだ。だからこそ、監督の勇気をたたえたい。

■作品データ
大脱出
ESCAPE PLAN
2014年1月10日より、TOHOシネマズ日劇他にて全国公開
2013年/アメリカ/カラー/113分/提供:ギャガ ポニーキャニオン 配給:ギャガ

スタッフ
監督:ミカエル・ハフストローム

キャスト
シルベスター・スタローン『ランボー』シリーズ
アーノルド・シュワルツェネッガー『ターミネーター』シリーズ
ジム・カヴィーゼル『パッション』
サム・ニール『ジュラシック・パーク』
ヴィニー・ジョーンズ『スナッチ』













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