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激映画批評

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◆昭和オヤジ専用ムービー(70点)

 学校の教室で休み時間、映画の話題が語られることがあった時代、男の子の間ではこんな会話が必ずあったはずだ。「ランボーとコマンドーが戦ったらどっちが強いと思う?」
 アクション界の二大巨頭シュワルツェネッガーとスタローン。筋量ではシュワちゃんの圧勝だが、パンチのキレならスタローンだ、そんな意味のない妄想に明け暮れる中学生が、かつては当たり前にいた。そのころ彼らにこう言ったとしたらどうだろう。「シュワちゃんとスタローンとチャック・ノリスとリー・リンチェイ(=ジェット・リー)が手を組んで、ヴァン・ダムと戦う映画を見たくないかい?」
 2012年、生粋のアクションスターが影をひそめたハリウッドの現状を嘆くスタローンの呼びかけで、その企画は実現した。「エクスペンダブルズ2」がそれだ。
 東欧に墜落した輸送機のデータを回収する「楽な仕事」を引き受けたはずのバーニー(シルヴェスター・スタローン)ら傭兵軍団は、ヴィラン(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)率いる現地の武装グループの予期せぬ襲撃によりデータを奪われたうえ仲間まで失う。怒りの復讐に燃えるバーニーたちは、絶対の覚悟でヴィラン一味を追い始める。
 残念ながら、先述のスター共演に胸躍る平成生まれはそういない。映画館の前で小躍りして喜んでいるのは昭和生まれのオッサンだけだ。そんなわけで本作の銃撃戦は、女子供への配慮など一切ない超ド派手志向。とくに映画史上もっとも強力なドリームチームの「被害者」たちの惨状ときたら目に余るグロさ加減で、脳や内臓、四肢が盛大にちぎれ飛ぶ。それを笑い飛ばしながら敵陣を突き進む傭兵軍団の活躍に爽快感を感じようという、一部の観客を除いてかなり無理があるコンセプトとなっている。
 だが、その一部に含まれるわれら中年男性は、迷わず本作の公開劇場に行くべきだ。たとえ老人映画と揶揄されようが、かつて憧れた本物のアクションスターたちの輝きはまだ消え失せていない。主演級と呼ぶにふさわしい彼らが、それぞれ見せ場を用意され、かつて胸躍らされた単純明快な懲悪ストーリーを見せてくれる。ある意味これもまた、大人の男が一人で楽しむにふさわしい一本といえるわけだ。

■作品データ
エクスペンダブルズ2
The Expendables 2
2012年10月20日(土)全国ロードショー
2012年/アメリカ/カラー/1時間42分予定/配給:ポニーキャニオン、松竹

スタッフ
監督:サイモン・ウェスト

キャスト
シルベスター・スタローン
ジェイソン・ステイサム
ジェット・リー
ドルフ・ラングレン
チャック・ノリス
リアム・ヘムズワース
ジャン=クロード・ヴァン・ダム
ブルース・ウィリス
アーノルド・シュワルツェネッガー



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