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◆ピラミッドの謎に挑む意欲作(65点)

 世界の七不思議だとか、失われた大陸といった、学研のオカルト部門がライフワークにしていそうな数々のミステリーに、男の子ならだれもが一度は夢中になったはず。現代科学の想像力を超えた「あってはならないもの」がこの世に存在する、確かにそれは面白いことだ。
さて、その最たるものがエジプトの大ピラミッドであることに異論がある者はいまい。「ピラミッド 5000年の嘘」(フランス、100分)は、どこから見ても謎だらけのこの建造物に対して、6年間の検証を経て提示される新説ドキュメンタリーだ。
まずはピラミッド(本作ではほとんどの場合、もっとも有名なギザの大ピラミッドを指す)のふしぎその1、その2といった具合に、一般人ならへぇの連続となるであろう意外な雑学を披露。現代建築でも不可能なほどの精密性であるとか、石一個あたり乗用車なみの重さがあるとか、大きさも形もバラバラな石を積み上げてあるといった内容だが、後半に出てくるビックリネタの前菜としてはちょうどいい。CGをふんだんに使って説明してくれるのも、わかりやすくてありがたい。
続いてそれらの「謎」に伝統的なエジプト学者たちが出した答えを、専門家に語らせていく。世界のミステリー的な、いかがわしくも魅力的なオカルト書籍にありがちな定番の流れといえる。なにしろその手のマニアやピラミッド好きにとってエジプト学者とは旧態依然とした「石頭」の代名詞であり、この手の新説提示モノではその後ケチョンケチョンに否定されるのはお約束といってもいい流れ。本作の場合も、匿名ながらあらゆる情報に精通した「ブレーン」により定説は論破されてゆく。わざわざ顔出しでピエロ役を引き受けさせられたエジプト学者さんたちには同情を禁じ得ない。
ドキュメンタリーながら、煽りまくりのハデハデ演出で退屈知らず。100パーセントエンターテイメントとして楽しむべき作品。ナスカの地上絵やマチュピチュ、与那国島の海底遺跡、イースター島のモアイといった魅力的な「脇役」も登場し、本丸の謎ときに貢献する。改めて映像で見ると、いつかこういう建築物や遺跡群を巡ってみたいなと感じずにはいられない。
正しいか否かは皆さん自身の目で見ていただくとしても、最後にキッパリと結論を出している点は好感が持てる。忘れかけていた好奇心旺盛な昔の自分を思い出させてくれるという意味で、こういう映画にも存在価値は大いにある。

 

■作品データ
ピラミッド 5000年の嘘
THE REVELATION OF THE PYRAMIDS
2012年2月18日(土)、新宿バルト9、丸の内TOEI他全国ロードショー
2011年/フランス/カラー/100分/配給:スターサンズ

スタッフ
監督:パトリス・プーヤール
原作:ジャック・グリモー
脚本:ジャック・グリモー、パトリス・プーヤール、オリヴィエ・クラスカー・ローゼン
音楽:ジーン・バプティスト・サビアニ
提供:スターサンズ、c-block、ポニーキャニオン
配給:スターサンズ

キャスト
ジャン・ルクラン(エジプト考古学者)
ギーメット・ アンドル(ルーヴル美術館 古代エジプト部門主任キュレーター)
ジャン=ピエール・アダム(建築家、エジプト学者)
ピエール=ルイジ・コパ(建築家)
ジャン=ピエール・マルマルタン(構造(建築)工学技術者)
クリス・ワイズ(構造工学技術者)
エリック・ゴンティエ(人類学者、地質・鉱物学者)

 



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