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ファイナル・デッドブリッジ

◆歩いているとワイヤーが飛んできて切断死(75点)

 歳をとると、マンネリズムが心地よくなってくる。「男はつらいよ」や「水戸黄門」の様式美の良さがわかってくる。疲れた時に面倒くさい話をわざわざ見る気はしない。これもまた、映像作品に対する大事なニーズの一つといえる。

 「ファイナル・デッドブリッジ」(92分、米)は、そうした偉大なるマンネリズムを誇る「ファイナル・デスティネーション」シリーズの最新作。もっとも、のんびりお気楽にみられる可能性はゼロに等しい。

 シリーズ未見の方に解説すると、このホラーシリーズは「逃れられない死の運命」に抗う若者たちを描いたもの。主人公たち数人は、冒頭の大事故を回避していったんは助かるが、やがて死神にからめ捕られるように、ひとりひとりと事故死してゆく。最後に残った主人公はいったいどうなるのか?

 化け物や幽霊は出てこない。唐突に襲い掛かる「突然死」のショックと、それぞれの残酷な死にざまが売り物だ。死はいつも予想外のところからやってきて、観客の心臓を縮み上がらせた後、深い絶望感を置いてゆく。

 この5作目も基本線は同じ。今回の目玉となる冒頭の大事故は、巨大なつり橋が落ちて社員研修旅行中のバスごと大勢落下死するものだが、それを予知夢として察知した主人公と友人たちは間一髪で(いったんは)生還する。

 特筆すべきは前作同様、質の良すぎる3D。スティーヴン・クエイル監督はあの「アバター」(09年)でジェームズ・キャメロンを右腕として支えた3Dのプロフェッショナルだから、そのクォリティの高さは世界最高峰。リアルすぎる人体破壊と飛び散る肉片を最新鋭の立体映像で存分に楽しめる。そんなものが楽しいのかどうかはわからないが。

 シリーズ5作目といっても毎回完結するので途中参加も大丈夫。むしろ初めて体験する人のほうが新鮮に楽しめるだろう。しかも、シリーズの中でもこれはかなり出来がいいほうで、マンネリズムの魅力を継承しつつ、新たな意外性を加える困難な仕事を成功させている。

 この秋は、残酷ホラー界の寅さんをぜひ立体メガネで楽しんでほしい。こんなものをのんきに楽しめる自分の平和な人生に、きっと感謝することになるはずだ。

 

■作品データ
ファイナル・デッドブリッジ
Final Destination 5
2011年10月1日(土)、シネマート新宿、梅田ブルク7 他3D/2Dロードショー
2011年 アメリカ映画/2011年 日本公開作品/上映時間:92分/全5巻/2,528m/シネマスコープ・サイズ/ドルビーSRD+DTS+SDDS/映倫区分:R18+ 配給:ワーナー・ブラザース映画

スタッフ
スティーブン・クォーレ(監督)
エリック・ハイセラー(脚本)
クレイグ・ペリー(製作)
ウォーレン・ザイド(製作)
リチャード・ブレナー(製作総指揮)
ウォルター・ハマダ(製作総指揮)
デイブ・ノイスタッター(製作総指揮)
エリック・ホルムバーグ(製作総指揮)
シーラ・ハナハン・テイラー(製作総指揮)
ブライアン・ピアソン(撮影)
デイビッド・R・サンドファー(美術)
エリック・シアーズ(編集)
アリエル・ベラスコ・ショウ(視覚効果監修)
ジョリ・ウッドマン(衣装)
ブライアン・タイラー(音楽)

キャスト
ニコラス・ダゴスト(サム)
エマ・ベル(モリー)
マイルズ・フィッシャー(ピーター)
コートニー・B・バンス(ブロック捜査官)
アーレン・エスカーペタ(ネイサン)
デイビッド・ケックナー(デニス部長)
トニー・トッド(ブラッドワース)
P・J・バーン(アイザック)
エレン・ロー(キャンディス)
ジャクリーン・マッキネス・ウッド(オリヴィア)



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