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パラノーマル・アクティビティ2

◆一度は自主映画に憧れた人に(65点)

 この仕事をしていて思うのは、いま映画を好んで見るのは女性が多いが、本当の映画好きは年配の男性にこそ多いのではないかということだ。とくに大画面で映像を楽しむ手段がほかになかった時代に「映画」に接した人々は、特別な思い入れを持っている事が多い。

 そうした人の中には、8oカメラやビデオカメラの登場とともに自ら映画作りのまねごとに手を出した方も少なくあるまい。そんな映画好きの夢が自主映画の公開だとしたら、製作費130万円足らずで150億円超の興行成績を収めた「パラノーマル・アクティビティ」は、頂点に立つ成功例といってよかろう。

 その続編「パラノーマル・アクティビティ2」(91分、アメリカ)は、製作費こそ2億円以上に増額されたものの、独特の自主映画テイストとホームビデオ風の生々しい映像は健在。身近な場所に潜む恐怖を味わえる、疑似体験ホラーだ。

 前作は同棲カップルが、最近まわりで起きる怪奇現象を解明するため一晩中まわしっぱなしにしていたビデオテープに、とんでもないモノが写っていた話だった。続編となる本作では「その関係者のある人物が、自宅に設置した防犯カメラの映像」とういふれこみになっている。部屋数もカメラ数も大幅にグレードアップ。恐怖の正体を立体的に把握できる親切設計になっている。

 このシリーズに出てくる幽霊(だかなんだかわからない何か)は実に回りくどい奴で、今か今かと待っている観客の期待をよそに、なかなかカメラの前に姿を現さない。しかし、それでも明らかにどこかおかしな映像が写っているわけで、注意深い観客は背景やら人間などの動きに異常を察知して、ぞくぞくと背筋にいやな汗をかく羽目になる。観察力がある上に怖がりな人は要注意な一本といえるだろう。

 大体おわってみれば、あきれるほどに何も起こらない展開だったとわかるわけだが、それでも鑑賞中は、飽きるどころか集中力がどんどん高まっていくのがわかる。前作後、類似の作品をいくつか見たが、このシリーズはさすが元祖だけあって、それらに比べて「引っ張り方」が抜群にうまい。自主映画に手を染めた方なら、こういう単調な絵に観客の興味を引き付け続ける難しさが必ずわかるはずだ。そういう意味では、なかなかテクニカルな作品といえる。

 最後には、静かだがヒジョーに怖い「ある事」が起きる。これを見ると、ホラーで成功するためには派手なCGもビックリ演出も、たいして必要ではないことがわかる。何しろ前作の監督は、自宅の寝室を舞台にあの大ヒット作を撮影、作り上げたのだ。自信のある方は、いっそご自身でも「週末の映画作り」に挑戦してみてはどうか。案外、世界的な大映画作家の道が待っているかもしれませんぞ。

 

■作品データ
パラノーマル・アクティビティ2
Paranormal Activity 2
2011年2月11日(祝・金)シネマサンシャイ池袋/TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国拡大公開!!
2010年/アメリカ/カラー/91分/配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン

スタッフ
プロデューサー:オーレン・ペリ
監督:トッド・ウィリアムズ
脚本:マイケル・R・ペリー

キャスト
ケイティー・フェザーストン
スプレイグ・グレイデン
ブライアン・ボーランド
モリー・イフラム
ミカ・スロート



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