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ナイト&デイ

◆コメディタッチの超一流アクションムービー(97点)

 全男にとって、イケメンは敵。一緒に合コンにいけば一人勝ちされ、カノジョを紹介すれば寝取られる。そんな経験をした哀れな方々には、あちら側に属する私としてもお詫びするほかないが、そんな皆様の宿敵イケメンスターの映画でも、見て腹の立たない作品がある。トム・クルーズ主演作などはその一例だ。

 なにしろトム・クルーズといえば、ちょっと可愛い年下の恋人ができたくらいで大はしゃぎ。ノロケ話に一人で盛り上がり、ソファの上で跳ね回る醜態をテレビ番組で披露して視聴者をドン引きさせたほどのKYぶり。おまけに自分好みに脚本を書き換える専門チームを雇うなどの、涙ぐましい努力まであっさり報じられてしまうマヌケさも併せ持つ。恰好はいいが、どこかヌケてて憎めない、珍しく好感度の高いイケメンスターだ。

 そんな彼が、自身の「イケメンキャラ」をネタにしたギャグを連発する異色のアクション映画が「ナイト&デイ」(109分、米)。凄腕のスパイを演じるトム・クルーズは、濡れ衣を着せられ当局から逃亡する途中、空港で見知らぬ女教師(キャメロン・ディアス)と出会う。そこから彼女を巻き込んだ、アクションたっぷり大スケールの逃走劇が繰り広げられる。

 コメディタッチだが、アクションに手抜きはない。小柄なトム・クルーズは、しかし欠かさぬトレーニングのたまもので体のキレは抜群。もう50歳近いというのに全力疾走のワンカットシーンを軽々と演じ、裸になって6パックの腹筋を見せつける。下手すりゃ30代のキャメロン・ディアスのビキニ姿より若々しいのだから驚きだ。

 彼らが真っ赤なバイクに二人乗りし、交互に背後の敵へ撃ちまくるカップルアクションなどは、もはや芸術といってもいいハリウッド様式美の世界。CGなど特殊効果もなじんでおり、よくぞこれほどの迫力映像を作り出したと感心する。こうした面では、本作は間違いなく現在のあらゆる映画の中でも超がつく一級品といえる。

 しかし個人的には、やはりあのトム・クルーズが満面の笑顔を浮かべたKYキャラで、名コメディエンヌのキャメロン・ディアスと頓珍漢なやりとりを繰り広げる前半のコメディシーンに、いいようのない安心感と魅力を感じてしまう。こんなイケメンならば、合コンに連れて行ってもいい。


■作品データ
ナイト&デイ
Knight and Day
2010年10月6日(水)、“トムの日”先行ロードショー
2010年10月9日(土)、TOHOシネマズ 日劇他 全国ロードショー
2010年/アメリカ/カラー/109分/配給: 20世紀フォックス映画

スタッフ
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールド

キャスト
トム・クルーズ
キャメロン・ディアス
マーク・ブルカス
マギー・グレイス
ピーター・サースガード
オリヴィエ・マルティネス
ポール・ダノ



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