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アイアンマン2

◆子供向きとは言い切れない、お父さんたちのヒーロー(60点)

 意外と知られていないが、「バットマン」や「アイアンマン」のように「中身は普通の人間だがテクノロジーの力で活躍する」タイプのヒーローものは、中高年男性に向いている。強大な敵に対し、ハイテクスーツを着て戦うその姿は、ちょいと足りない能力をバイアグラ等で補って戦う我々と何も変わるところはない。なお、これは私独自のヒーロー映画=中高年向き仮説であるが、いまだ賛同者はいない。

 「アイアンマン2」(117分/米国)は、大ヒットしたアメコミ・アクション映画の続編。軍事企業の社長にして偉大な兵器発明家の主人公が、自作の戦闘用パワードスーツを着て悪と戦う痛快作だ。ロバート・ダウニー・Jr演じるアイアンマンの「中の人」は、女好きのチョイ悪ビジネスマン。オジサンたちにもとっつきやすい設定といえる。

 前作のラストで自らの正体を世間に明かした主人公は、いまでは世界各地の紛争地域へ堂々と乗り込み、圧倒的な戦闘力で解決している。だがあちこちから逆恨みされているので、やがて強力な敵が登場する。

 この敵を演じるのが先日、落ちぶれたプロレスラーの悲哀を描いた「レスラー」(08年)で完全復活したミッキー・ローク。ランディ・ロビンソン(「レスラー」の主人公の役名)の長髪&バルキーな肉体はそのままに、悪役イヴァン・ヴァンコになりきっている。

 彼のビジュアルが強烈で、ロークの巨大な裸の上半身に、無数のタトゥーと大リーグボール養成ギプスのお化けのようなパワードスーツを身に着けた格好。武器は両手に持つ電磁ムチで、その威力たるや疾走中のF1カーを一撃ですっぱり真っ二つ。

 子供の超合金おもちゃのような主人公(アイアンマン)より、半分生身のこの悪党の方がよっぽどカッコよく見えるのは、「技術はあくまで補助、戦うのは自分自身」との思いに共感するからだろう。たとえお薬の力を借りたとしても、物理的には自らの肉体で女性と対戦するわれら中高年にとって真のヒーローは、実はアイアンマンでなくこの悪者ヴァンコだったのだ。

 米タブロイド紙によるハリウッドおっぱいランキング第3位のスカーレット・ヨハンソンが、タイトフィットな革スーツでセクシーなスタントを見せるオマケもおいしい。これは意外とイケるんではないか?


■作品データ
アイアンマン2
Iron Man 2
2010年6月11日(金) TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー
2010年アメリカ/カラー/??分/配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン

スタッフ
監督:ジョン・ファヴロー
製作:ケヴィン・フェイグ
原作:ジャック・カービー、スタン・リー
脚本:ジャスティン・セロー

キャスト
ロバート・ダウニー・Jr.
グウィネス・パルトロウ
スカーレット・ヨハンソン
ミッキー・ローク
ドン・チードル
サム・ロックウェル
サミュエル・L・ジャクソン




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