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タイタンの戦い

◆胸躍る大サソリやメドゥーサとの戦いを再び(70点)

 レイ・ハリーハウゼンの名前を知らなくとも、「アルゴ探検隊の大冒険」(63年、英)の7人の骸骨剣士や「シンバッド七回目の航海」(58年、米)のサイクロップス(一つ目巨人)のカクカクした特撮シーンを覚えている人は多いだろう。モンスターの人形を一こまずつ撮影し、相手役音俳優の動きに合成した「ダイナメーション」の技法は、彼の専売特許である。

 そんなハリーハウゼンの引退作となった「タイタンの戦い」(81年、米)が同名でリメイクされた。冥界の王ハデスの肉体から作られた怪物クラーケンや、翼を持った天馬ペガサス等も、もちろん登場する。オリジナルでハリーハウゼンが命を吹き込んだこれらクリーチャーたちは、はたしてすっかりオヤジとなった当時の少年たち(=我々)の胸を躍らせてくれるだろうか。

 神と人が共存していた時代。気まぐれな神々に嫌気が差した人間たちは、最高神ゼウス(リーアム・ニーソン)をはじめとするオリュンポスに戦争を仕掛けた。だが力の差は圧倒的で、王たちは追い詰められ、王女アンドロメダ(アレクサ・ダヴァロス)を生贄に捧げなければ、10日後に怪物クラーケンにより都を滅ぼすと宣告されてしまう。

 土俵際に追い詰められた人間軍の救世主となるのが神と人のハーフであるペルセウス(サム・ワーシントン)。漁師の子として育てられたこのナイスガイの心は、頼もしいことに100%人間だ。親の敵であるハデス(レイフ・ファインズ)への復讐に燃えるこの男を中心に、人間軍は最後の精鋭部隊を編成、起死回生を狙う。熱い、熱すぎる。まさに燃えるストーリーだ。

 人形アニメだったバトルシーンは、当然のことデジタルCGへと置き換えられている。だが、巨大サソリやメドゥーサなど怪物たちには、オリジナルを知るものならニヤリとする共通項が見受けられる。いま流行りの3Dメガネも、見世物的な高揚感を与えてくれるかもしれない。個人的には、本作の3D版はあまり必要性を感じないが、原版の斬新な映像体験をいま再現するには必要な小道具だったのだろう。

 かつてハリーハウゼンのマジックに陶酔した少年たちが、いま息子を連れてこのリメイク版を見に行く。「オレが子供のころはだな」などと言いながら、かつての自分と同じ喜びを与えてやれる。リメイク企画とは、本来こうあるべきだろう。


■作品データ
タイタンの戦い
CLASH OF THE TITANS
2010年4月23日(金)、丸の内ピカデリー他 全国ロードショー! 3D版 同時上映/日本語吹替版 同時上映
2010年/アメリカ/カラー/??分/配給:ワーナー・ブラザース映画

スタッフ
監督:ルイ・レテリエ
脚本: トラヴィス・ビーチャム
フィル・ヘイ
マット・マンフレディ
オリジナル脚本: ビヴァリー・クロス

キャスト
サム・ワーシントン
リーアム・ニーソン
レイフ・ファインズ




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