◆出来うんぬんではない、これは革新的映像体験なのだ(55点)
いま、時代は3Dだ。日米ともに上映中の『アバター』などは、史上最速のなんと17日間で全世界興収10億ドルを達成。ここ日本でも昨年だけで、3D対応の上映設備を備えた劇場数が4倍に増えた。いまや、映画といえば立体映画。赤青メガネの時代とは違う、フルカラー大迫力の飛び出す映像こそがトレンドだ。
そんな状況のもと、わが日本映画界から地球初の斬新な挑戦をおこなった話題の立体映画最新作が登場する。「完全なる飼育 メイド、for you」(100分、日本)がそれだ。
この映画の中で私たちは、なんと「飛び出す濡れ場」を世界ではじめてみることができる。ハリウッド中の映画人もたぶん聞いてビックリの、ワールドワイドな話題作だ。
過去の「完全なる飼育」シリーズ同様、一人の男が女の子に(たぶんに一方的な)恋心を寄せ、その思い極まって監禁してしまうエロティックなストーリー。本作では舞台を電脳&萌え都市アキハバラ、ヒロインをメイドカフェの人気メイドとする現代的な設定で描く。
映画が始まる前に、ストリップの前座前説よろしく、本作品の楽しみ方についてのレクチャーが行われる。この映画は悲しいかな低予算なので、全編100分間の中で立体になるのはたったの10分間。立体映像に変わると画面の端っこに「メガネマーク」が点灯するので、そうしたらおもむろにメガネをご装着くださいということだ。
わずか10分間とは切ない話だが、深作健太監督の心意気は決して「アバター」のジェームズ・キャメロン監督にも負けていない。貴重な制作費をつぎ込んだ10分間は、なんとすべて主演・亜矢乃の超絶ナイスバディが露わになる濡れ場にのみ、あてられているのだ。
待望のメガネマークがついた瞬間、観客はガサゴソとメガネをかけ始める。全員で美少女亜矢乃ちゃんの裸を同時体験する一体感を味わえる、至福の瞬間。繰り返すが、これはハリウッドも「アバター」も成しえなかった、地球初の体験だ。間違っても、「俺は何をやっているんだ」などと考えてはいけない。私たち観客は日本映画界の3D化を推進する先駆者なのだ。新しい技術の登場を祝福し、支えるパトロンのようなものである。この冬、男ならば誇り高い志でもって「完全なる飼育 メイド、for you」を見に行くべきであろう。
■作品データ
完全なる飼育 メイド、for you
A Good Husband
2010年1月30日(土)シネマサンシャイン池袋ほかにて公開!!
2009年/日本/カラー/ビスタサイズ/100分 配給:ゴー・シネマ
スタッフ
監督:深作健太『バトル・ロワイアルU 鎮魂歌』
原作:松田美智子「女子高校生誘拐飼育事件」(幻冬舎アウトロー文庫)
脚本:厨子健介
制作協力:セディックドゥ/楽映舎
製作:セディックインターナショナル
キャスト
亜矢乃
前田健
久野雅弘
黒川芽以
竹中直人
西村雅彦
映画批評家である「前田有一」氏が「えもびー」会員様の為に公開前の映画を鋭くチェック。その中から隔週で「公開前映画の一番のオススメ」をお伝えさせていただくネタバレなしのコラムです。番外編の情報や、点数づけなど、面白い情報も盛りだくさんです。前田さんがえもびー会員様の為だけに書き下ろした内容となっています。
※ネタバレなし=コラムを見て映画の評価はわかりますが、細かい内容など、大切な部分などはわからない映画情報。逆に見るのが楽しみになる情報です。

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・No.001 (07/01/18)
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