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今度は愛妻家

◆ここ10年間で一番かわいい薬師丸ひろ子を見られる(40点)

 「今度は愛妻家」とは、なかなか刺激的なタイトルだ。これではまるで、今までは愛妻家ではなかったみたいではないか。「そのとおりだ」との内なる声が多数聞こえてくる気もするが、本作はむしろ、それでも本当は奥様が大好きなあなたに見てほしい、中年夫婦向き恋愛映画。

 生気を失ったかのように、自堕落な日々をすごす元人気カメラマンの俊介(豊川悦司)。そんな夫にベタ惚れのさくら(薬師丸ひろ子)は、しかし彼に最後通告をつきつける。「子供をつくる気がないのなら別れて」

 モデルの若い女の子にうひょひょ気分で手を出すような男でも、いざこんなことを言われれば焦る。当たり前のように古女房がそこにいるものと思っているからこそ、浮気も楽しめるしダラダラと半ニート生活を送ることもできるのだ。だからこそ、予期せぬ一撃に狼狽する主人公の姿には、思わず共感できる。その言葉を残して一人旅に出た妻は、連絡もよこさずなかなか戻ってこない。夫はそのうち気が気でなくなってくる。

 自宅セット内での芝居がほとんどで、そこに演劇風のくどい台詞回しがひっきりなしに飛び交う。映画らしさから距離を置いた演出は、やや効果不明な点はあれど、深刻さからは無縁のライトな雰囲気を作りあげた。

 正直なところ違和感も感じるが、それこそが本作のポイントで、油断しゆるみきった観客の心に、やがて冷水をぶっかけるような展開が待ち受ける。これはコメディか、それともサスペンスなのか?

 もうひとつの見所は、往年のアイドル女優・薬師丸ひろ子が、ここ10年で間違いなく最高に可愛く見えるシーンが用意されていること。最近、妙にオバサンじみた役が多かっただけに、本作のような純粋なヒロイン役に再挑戦してくれたのは、ファンには嬉しいところだろう。その場面がどんなものか、あえて説明はしないが見れば必ずわかる。この女優さんは、まだこんなに綺麗だったのかと驚愕すること間違いない。


■作品データ
今度は愛妻家
A Good Husband
2010年1月16日(土)ロードショー
2009年/日本/カラー/131m分/配給:東映

スタッフ
原作:中谷まゆみ
監督:行定勲
脚本:伊藤ちひろ

キャスト
豊川悦司
薬師丸ひろ子




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