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監獄島

◆汗臭い男のなぐりあいをクリスマスイブに(70点)

 先日、ストロングスタイルを復興させたことで知られるリアルジャパンプロレスの興行を見に行った。そのメインイベントは、主宰の初代タイガーマスクに藤波辰爾、長州力らが一堂に会する夢のカード。入場曲が流れたときの大歓声は、昭和のプロレス全盛期を思わせるものだった。

 客席には中高年男性が目立ったが、やはりこの世代にとってプロレスは特別なものがある。だから、全米を代表するプロレスラーが映画に主演するとなれば無視はできない。WWEのスター、通称ストーンコールドの主演デビュー作「監獄島」(113分/アメリカ)も、これ以外ない、肉弾アクション満載の痛快作だ。

 スティーヴ・オースティンが演じるのは、とある劣悪刑務所に収監された死刑囚。彼はある映像プロデューサーに"スカウト"され、絶海の孤島へ連れて行かれる。そこで開催されるのは全世界の凶悪死刑囚を集めた殺し合い大会。参加者10人は足首にリモート爆弾を巻かれ逃亡を防止される代わりに、生存者1名には大金と恩赦が保証される。

 リアル殺し合いをネットで生中継することで収益を上げる、ニコニコ動画もびっくりのビジネスモデル。対戦相手は元イギリス特殊部隊員とかイタリアの殺人鬼とかテロリストとか、マンガの世界かよといいたくなるワルばかりだが、天下のスティーヴ・オースティンにしてみれば敵に不足なしだ。

 格闘好きには、スタッフにサム・グレコの名がある事も無視できまい。ボブ・サップを発掘し、自身もK-1で活躍した格闘家だが、本作では体型が似たスティーヴ・オースティンのボディ・ダブルを担当している。どの場面かは、ぜひ劇場で探し当ててほしい。

 大男がTシャツ一枚で殴りあう。たまに出てくる女の子は細身に巨乳。まさに、ステロイドとシリコンの世界。こんな映画をクリスマスシーズンど真ん中に公開する配給会社のセンスは、完全にネジが飛んでいるといってよい。たとえ世間がいちゃいちゃ恋愛ごっこに浮かれていても、男ならシネコン受付嬢の前に立ち、黙って「監獄島」。これが、2009年イブの推奨スタイルだ。


■作品データ
監獄島
The Condemned
2009年12月19日(土)、シアターN渋谷他全国順次ロードショー!
2007年/アメリカ/上映時間:113分/提供:ポニーキャニオン 配給:ブロードメディア・スタジオ

スタッフ
監督:スコット・ワイパー
脚本:スコット・ワイパー、ロブ・へデン
製作:ジョエル・サイモン

キャスト
スティーブ・オースチン
ヴィニー・ジョーンズ
リック・ホフマン
ほか




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