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宇宙戦艦ヤマト 復活編

◆立体ヤマトに熱くなれ(65点)

 最近は若い人が映画館に行かない事もあって、オジサン世代に嬉しい企画がよく通る。宇宙戦艦ヤマト、待望の最新作の完成はその最たるものだろう。キムタク主演の実写版(2010年公開予定)に先駆けて──というより、往年のファンにとってはこのアニメーション版こそが本命に違いない。

 ヤマト生みの親である西崎義展プロデューサーが収監されたり、松本零士(結果的に今回の最新作とは無関係に)との著作権騒動により、長年にわたり噂ばかりが一人歩きしてきた「復活編」が、ついに見られるのだ。

 西暦2220年、移動式ブラックホールが観測され、3ヵ月後に地球が飲み込まれ消滅することが明らかになった。地球人類は惑星アマールの衛星へ移住を決定、第一次移民船団が出発するが、彼らは途中で大艦隊に襲撃され、護衛艦隊および移民船はほぼ全滅。責任者の古代雪(声:由愛典子)も宇宙の藻屑と消え去った。

 非道な惑星国家から人類を守るため、ついにヤマトが復活。宇宙科学局長官・真田志郎(声:青野武)のもと、17年かけ強力な装備と共に再建されたこの超弩級宇宙戦艦は、38歳になった古代進(声:山寺宏一)を艦長に迎え、かつて自沈したアクエリアスの氷床から発艦する。

 松本零士がかかわっていないためか、キャラクターデザインは大幅に変更。シリーズ初の3DCGで描かれたヤマトは、少々出来が荒く質感がのっぺりしているものの、やはり戦う姿は惚れ惚れとする。

 民間人を3億人も乗せた無防備な移民船団をただの一隻も見捨てず、圧倒的多数の敵艦隊からの集中砲撃を一身に受け止めるその勇姿は、まるで武蔵坊弁慶の立往生。何十発の直撃弾を浴びようとも、ヤマトは決して一歩も引かない。数百隻の大艦隊に、たったの一隻で立ち向かう。思い切り派手にアレンジされたテーマ曲同様、こんなに熱いスペクタクルはあるまい。

 このシーンをみると、つくづくこの物語の主人公は古代でも雪でもなく、ヤマト自身なのだと実感する。

 相変わらずご都合主義の塊のような展開ではあるが、気にすることはない。この熱さ、これさえあれば何もいらない。我らオジサンは、モーレツに熱いヤマトを見られればそれでいい。


■作品データ
宇宙戦艦ヤマト 復活編
2009年12月12日公開 全国東宝系
2009年/日本/カラー/2時間13分/配給:東宝

スタッフ
企画・原作・総監督:西崎義展
脚本:石原武龍 冨岡淳広 西崎義展
制作スタジオ:ヤマトスタジオ
CG制作:オムニバス・ジャパン

キャスト(声の出演)
山寺宏一:古代進
伊武雅刀:ゴルイ将軍
藤村歩:古代美雪
由愛典子:古代雪




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