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サバイバル・フィールド

◆サバゲーやったら、相手が実弾を使ってきた(65点)

 知り合いの編集者にサバイバルゲームを趣味とする人物がいる。この、通称サバゲーとは、専用のゴーグルをつけたもの同士がエアソフトガンで打ち合う遊びで、様々な形態がある。彼の場合は郊外の山の中の会場で2チームに分けて行うそうだが、たまに私を誘ってくる。ちょっと意地悪してみようと、「じゃあビジネススーツ姿にM16ライフルを持って、狙撃者役で参加するけどいい?」と聞いてみたら、それでもいいという。

 聞くと、AK47小銃にタリバン風のコスプレで参加する者や、米軍払い下げの本物装備に身を包む軍マニア、旧日本陸軍風に決める者等、色々いるという。そんな連中が同一チームで戦うなど、想像するだけでシュールな光景である。

 そんなサバゲーは、アメリカ発の屋外競技ペイントボールをヒントに日本で開発されたものだ。BB弾の代わりにゼラチンで出来た染料弾を使う以外かなり似通っているが、愛好者は世界中におり歴史も古い。

 「サバイバル・フィールド」(スペイン/90分)は、広大なフィールドで本格的に開催されるその大会に参加した若者たちの、哀れな運命を描くアクション作品。各地から集まり、それぞれ面識のない男女数名は、ゲームが始まり最初の銃撃戦で驚愕の事態に遭遇する。なんと敵陣から飛んでくる銃弾は本物で、被弾した一人が血まみれになり死んでしまったのだ。

 考えてみれば主催者の事は誰も詳しく知らず、この場所も非公開で、自分たちがここにいることは誰も知らない。半ばパニックに陥りながら、殺傷力ゼロの「ペイント銃」を構えながら逃げ惑う姿が悲哀を感じさせる。

 右も左もわからぬだだっ広い森の中、会場を出ることも出来ずゲームの目的である次のチェックポイントにとりあえず向かった一行は、そこであるアイテムを見つける。それは、手持ちのおもちゃとは違う、明らかに「人を殺せる」武器であった……。

 このあたりから俄然面白くなってくる。このアイテムを利用して、いったい何をすべきなのか。疑心暗鬼に陥り、「武器」を独り占めする者も出てきたりして、波乱に満ちた後半のストーリーに期待を持たせる。

 サバゲー好きなど、ちょいと対象が絞られるきらいはあるが、目の付け所がいいB級スリラーとして高く評価したい。女の子たちが、何の脈絡もなく薄着になって谷間を露出してくれるなど、この監督はなかなかサービスというものを心得ている。


■作品データ
サバイバル・フィールド
PAINTBALL
2009年11月28日(土)シアターN渋谷他にて全国ロードショー!
2008年/スペイン/カラー/1時間30分/5巻/2457m/スコープサイズ/ドルビーSRD/PG-12/配給:角川映画・アンプラグド

スタッフ
監督:ダニエル・ベンメイヤー
脚本:マリオ・ショーエンドーフ、フアン・ミゲル・アスピロス
音楽:サヴィエ・キャペラス&マイクマイヤー
編集:マーク・ソリア
共同制作:アルベルト・マリーニ
製作総指揮:フリオ・フェルナンデス、カルロス・フェルナンデス
プロデューサー:フリオ・フェルナンデス

キャスト
ブレダン・マッキー
ジェニファー・マター
パトリック・レジス
アイオン・ペレス
ニール・マスケル
アナ・カサス
ピーター・ヴァイヴス
クローディア・バッソルズ
フェリックス・プリング




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