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ブラック・ウォーター

◆野生のワニに襲われる恐怖(55点)

 夏休みもいよいよ終盤。ここまで家族サービスを怠ってきたお父さんは、今後に禍根を残さぬためにも、そろそろ妻&子供をどこかに連れて行く必要がある。お手軽な川下りや、あるいはワニ園あたりが非日常を演出できていいかと思うが、その場合の前菜として、『ブラック・ウォーター』の鑑賞はいかが。

 休暇でオーストラリア北部にやってきた3人。仲良し姉妹のリー(メイヴ・ダーモディ)とグレース(ダイアナ・グレン)、そして姉グレースの恋人アダム(アンディ・ロドレーダ)。3人はとりあえず「野生動物見学ツアー」なるものに挑戦するが、運悪くその船は出たばかり。仕方がないのでたまたま暇そうにしていた釣り人のボートに同乗し、川釣りを体験することにした。

 釣りバカ日誌ならここでノーテンキなコメディーがはじまるところだが、ここは豪州。その川にはアジやカツオならぬ、クロコダイルと呼ばれる体長3メートルの巨大ワニがすんでいる。そんな川に、わざわざ上野のボート池にあるようなチャチな小船で出かける神経がよくわからないが、そんな観客の内心のツッコミどおり、悪い予感は現実となる。
  3人(と釣り人1人)の頼りないボートは、世にも恐ろしい爬虫類の体当たりを受け見事に転覆。主人公らはほうほうのていでマングローブの木の上に登り、なんとか一息つく……が、そこから先はどうすりゃいいの?!

 実際のワニは、銀座のクラブのお姉さんが本革のバッグなんかをねだるせいで、乱獲により減少。野生の個体は保護対象らしいが、この映画で3人が置かれた状況を考えたら、保護してほしいのはむしろこっち。水面から凶暴なワニがぴょーんと木の上の人間へ飛びかかる場面などは、夏だというのに背筋がひんやりする。

 ジャングルのど真ん中で、ワニ池の上に取り残されたらいったいどうすればいいのか。哀れな3人組の運命は?

 これを見てからワニ園にいけば、緊迫感抜群。川下りのスリルも10倍増だ。おっと、ひとつ大事なことを言い忘れた。この映画のストーリーは「実話に基づいている」。


■作品データ
ブラック・ウォーター
BLACK WATER
2009年8月22日(土)銀座シネパトスほか全国公開
2007年/オーストラリア/カラー/90分/ビスタサイズ/DOLBY DIGITAL/字幕翻訳:川又勝利 提供・配給・宣伝:プレシディオ 協力:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント

スタッフ
監督・脚本:アンドリュー・トラウキ、デイヴィット・ネルリッヒ
製作:マイケル・ロバートソン
共同制作:ポール・コーワン、クリス・ウィールドン
撮影:ジョン・ビギンズ
編集:ロドリゴ・バラート
美術:アーロン・クローザース

キャスト
メーヴ・ダーモディ
ダイアナ・グレン
アンディー・ロドレーダ




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