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G.I.ジョー

◆フィギュアのような戦士が大活躍(60点)

 G.I.ジョーは30代、40代以上の人にはとても懐かしい玩具ではなかろうか。勇ましい軍服姿が特徴的なこのフィギュアは、30cmもの巨大サイズを生かして多数の関節が動き、どんなポーズもとることができた。とくに私の居住地・亀有では、地元が舞台の人気漫画『こち亀』に何度も登場することもあって知名度は高く、まさに男子の憧れであった。

 今で言うメディアミックスとしてこの玩具シリーズは85年にテレビアニメ化され、それがこのたびハリウッド実写映画になった。同じハズブロ社の人気商品で、似たような経緯をたどった『トランスフォーマー』実写版の大ヒットに続く、二匹目の巨大なドジョウというわけだ。

 ちなみにこの2つ、80年代にそれぞれ劇場用アニメになったことがあるのだが、その時は先行した『トランスフォーマー』がコケてしまい、製作中だった『G.I.ジョー』劇場版がお蔵入り(ビデオのみ発売)となってしまった苦い過去がある。

 そんなわけで近年の「男児向け玩具・ハリウッド映画化ブーム」は、古いファンにとってはあたかも弔い合戦を見ているような気分になる。

 世界征服をたくらむ組織コブラは、最新鋭のナノテク兵器を奪取すべく、NATO軍の輸送部隊を襲う。その動きを察知した機密部隊G.I.ジョーは現場に急行、激しい戦いを繰り広げる。これを機に、輸送部隊の生存者で強靭な兵士デューク(チャニング・テイタム)とリップコード(マーロン・ウェイアンズ)は、G.I.ジョーに志願、世界中から集められた精鋭と共にコブラとの戦いに身を投じていく。

 アメリカ映画らしい派手な戦闘シーンが売り物の、典型的な軍事アクション。アニメ版を知らずともまったく問題はない。近未来的な武器を身につけた最強部隊「G.I.ジョー」兵士たちの、一騎当千の大活躍を楽しもう。

 実在の兵器で戦うNATO軍と入り乱れる冒頭のアクションシーンは、映像のクォリティが極めて高く、重厚な本格戦争映画の中でSF作品のような戦士が大暴れするという、なんとも凄いことになっている。このあたり、地球外生命体と現役米軍が戦う『トランスフォーマー』実写版を髣髴とさせる。現実と虚構を違和感なく融合させてしまう今のデジタル技術には驚くばかりだ。

 マッチョマンと巨乳美女揃いの登場キャラたちは、ぴったりしたラバースーツに身を包み、まさにフィギュアのようなカッコよさ。敵軍コブラの紅一点、バロネス(シエナ・ミラー)の美尻を見ていると、何やら違ったジャンルのフィギュアのような気もするが……。
  サービス満点があだとなり、詰め込みすぎで消化不良感はあるものの、男のロマンを具現化した夏らしい超大作といえる。


■作品データ
G.I.ジョー
G.I. Joe
2009年8月7日(金) 丸の内ルーブルほか全国ロードショー
2009年/アメリカ/カラー/135分/配給:パラマウント

スタッフ
監督:スティーブン・ソマーズ
製作:ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ
脚本:スチュアート・ビーティ、スキップ・ウッズ

キャスト
ブレンダン・フレイザー
チャニング・テイタム
シエナ・ミラー
イ・ビョンホン
デニス・クエイド
レイチェル・ニコルズ




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