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ウィッチマウンテン/地図から消された山

◆大人を退屈させない家族映画作りの妙(75点)

 この記事掲載時にはまだちょっと早いかもしれないが、夏休みの家族サービスにぴったりな映画を見つけたので紹介したい。「ウィッチマウンテン/地図から消された山」(7/4から公開)がそれで、頭のてっぺんからつま先まで、ファミリー映画作りの巧者ディズニーらしい一本。──でありながら、決して単純な子供だましに終わっていないあたりが、このコラムでオススメする理由だ。

 腕っ節の強いタクシードライバー(ドウェイン・ジョンソン)の車に、育ちのよさげな幼い兄妹が乗ってきた。子供には不相応な大金を持つ二人が降りたのは、人気のない廃屋。心配になった運転手が後からついていくと、そこには驚くべき光景が……。

 その後兄妹は、地球人とは思えぬ超科学を持った敵に追い回される。それを助けるハメになる運転手、という展開。古典的な巻き込まれ型サスペンスに、SFを組み合わせたアドベンチャーだ。

 元プロレスラーのザ・ロックとして知られるドウェイン・ジョンソンが、頼れる保護者的存在を好演。こんなにデカくて強いタクシー運転手いないだろ、と突っ込みたくなる程の大活躍を見せる。

 一方、幼い二人もただのお荷物ではなく、強力なサポートを見せる。実力派子役で知られ、現在ハリウッドナンバーワン美少女(と私が認定する)アンナソフィア・ロブ15歳が、子供とは思えぬ知性でパーティーを導く。この二人のスターのかけあいは、大きな見所のひとつだ。

 主たる客層を低年齢(おそらく小学生低学年程度か)に設定しているため、どぎつい暴力描写はなし。注意深く見れば、爆発しようが大事故がおきようが、人が死んでいる様子は一切ない。環境と人命にやさしい、エコアクション映画である。そして、それでも迫力不足に陥っていないあたりが凄いところ。このあたりの映画作りの工夫の跡を、ぜひ大人の目で確認してほしい。

 さらに、映画の終盤で、5人のある登場人物が手をつなぐ場面にも要注目。ここに、本作の隠しテーマが表現されている。「ああなるほど、この5人はそういう関係を表していたのね」と思ったら、観劇後にお子さんに解説してあげると良いだろう。


■作品データ
ウィッチマウンテン/地図から消された山
Race to Witch Mountain
2009年7月4日(土)より 全国ロードショー
2009年/アメリカ/カラー/98分/配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン

スタッフ
監督:アンディ・フィックマン
原作:アレグサンダー・ケイ
脚本:マット・ロペス、マーク・ボンバック
撮影:グレッグ・ガーディナー
音楽:トレヴァー・ラビン

キャスト
ドウェイン・ジョンソン
アンナソフィア・ロブ
アレクサンダー・ルドウィグ
カーラ・グギーノ
キアラン・ハインズ
トム・ウッドラフ・Jr




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