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お買いもの中毒な私!

◆お買い物中毒って、はたから見るとちょっと面白そう(85点)

 どこから見ても「女の子向け」な映画が、意外にも楽しめる場合がある。そういう作品は、宣伝も予告編も若い女性の目を引くように作ってあるから、フツーの男子が気づく可能性はとっても低い。こういうときこそ、我々批評家が頑張って、その魅力を伝えなくてはなるまい。

 マンハッタンでファッション雑誌の編集者になる夢を持つ25歳のレベッカは、洋服や靴が大好き。ただ問題は、病的なまでの買い物中毒。大量に持つクレジットカードも限度額に達し、いよいよ破産寸前。自転車操業にまで追い詰められたレベッカは、奮起して雑誌社の面接に挑む。ハッタリだけは超一流の彼女だが、採用されたのは意外にもお堅い経済専門誌。しかもほとんどヤケで書いた奇抜な記事がウケまくり、業界からの信頼も得る。

 どう考えても、経済誌にはもっとも不適切な人材だが、正体を知らぬ周りの勘違いは際限なくエスカレートし、彼女はトントン拍子で出世していく。そのノーテンキさ、調子のよさがなんとも笑える。

 演じるアイラ・フィッシャーは、小柄で細身、だけど巨乳、おまけにブロンドで童顔という、どこからみても少々オツムが弱そうなカワイ子ちゃん。明るくて憎めないキャラクターは天性のものかと思いきや、これが意外とそうでもない。

 実際は、10代から小説を書きベストセラーも持っている才女というから面白い。おまけに私生活でのパートナーは、あのサシャ・バロン・コーエン。映画「ボラット」や「アリ・G」でお下劣男を演じた、英国きってのおバカ系コメディアンだ。アイラのコメディエンヌとしてのセンスの良さは、案外彼ゆずりなのかもしれない。

 さて、そんな本作がなぜ男性にもオススメかといえば、アイラさんのおっぱいが大きいから、ではもちろんない。いや、多少はそれもあるが、なんといってもこの映画はコメディーとしての骨組みが、じつにしっかりしているのだ。どうも何かに似ていると思ったら、植木等の無責任男シリーズだった。

 魅力的(だけどとっても不謹慎)な主人公が、そんなんでいいのかよ! とつっこみたくなるデタラメぶりで笑わせ、だけど妙に上手に世渡りしていく。

 プラダだグッチだと、表面上はいかにも女の子っぽいが、古典喜劇のごとき普遍的な人間模様が土台にあるから何の違和感もなく見られる。さらにラストには、現代人なら最高に気持ちのいいあるシークエンスが待っている。ぜひごらんあれ。


■作品データ
お買いもの中毒な私!(2009)
CONFESSIONS OF A SHOPAHOLIC
2009年5月30日(土)よりロードショー
2009年/アメリカ/カラー/104分/シネスコサイズ/ドルビーSRD/日本語字幕:佐藤恵子 配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン

スタッフ
監督:P.J.ホーガン
製作:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:トレイシー・ジャクソン、ティム・ファース、ケイラ・アルパート
撮影監督:ジョー・ウィレムズ S.B.C.
プロダクション・デザイナー:クリスティー・ジー
衣装デザイナー:パトリシア・フィールド
編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ,A.C.E.
作曲:ジェームズ・ニュートン・ハワード
原作:ソフィー・キンセラ「レベッカのお買いもの日記1」「レベッカのお買いもの日記2 NYでハッスル編」

キャスト
アイラ・フィッシャー(レベッカ・ブルームウッド)
ヒュー・ダンシー(ルーク・ブランドン)
クリステン・リッター(スーズ・クリース=スチュアート)
ジョーン・キューザック(ジェーン・ブルームウッド)
ジョン・グッドマン(グレアム・ブルームウッド)
ジョン・リスゴー(エドガー・ウェスト)
クリスティン・スコット・トーマス(アレット・ネイラー)




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