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ヒカリサス海、ボクノ船

◆サラブレッド女優、仁科仁美の本格映画デビューを堪能する(65点)

 かつて松方弘樹は、何人もの女優と浮名を流した。母親違いの子も複数おり、浮気がすぎてパイプカットまでしたという豪傑(?)だ。そんな昔ながらのスターを父に持つ仁科仁美は、親類兄弟みな芸能界という、まさにサラブレッド。デビュー前の中学生時代からパパラッチに追い回された経験をもつ、生まれながらの芸能人だ。

 そんな彼女がはじめて映画に主演する。しかも大胆なヌードシーンまで挑戦するとあっては、男として見逃すわけには行くまい。ということで、私は早速鑑賞に赴いた。

 仁科仁美演じる女子大生はかつて少女時代、難病で寝たきりだった弟に対し、大変な事件を巻き起こしてしまう。そのショックはいまだ尾を引き、彼女は多くの感情を厚い壁の奥に隠したまま生きている。そんなヒロインが謎めいたピエロと出会い、変わっていくさまを描く。強烈なトラウマに悩まされる女性の再生物語だ。

 24歳の仁科は終始物憂げな表情で、少々近寄りがたい女子大生の役作り。父親似のシャープな目元は、スクリーンに自らの魅力を刻み込むかのような迫力。役の上でも母親として共演する仁科亜季子(なお本作には実兄の仁科克基も出演している)と横に並ぶ登場シーンは、心憎い演出といえるだろう。母親は日本の50代女優の中では屈指の美人女優だが、果たしてそのライバルとなれるか?

 話題のヌードは、買い物から戻った部屋のベッド上でいきなり服を脱ぎ始めるという、正直あってもなくてもいいような場面だが、ここは素直に監督とサラブレッドさんに感謝しておく。肝心の中身については、母親よりボリュームある美乳、とだけ言っておこう。

 私が書くとどうしてもふざけているように思われそうだが、映画自体はきわめて真摯な人間ドラマ。近頃の安っぽいお涙頂戴とは明らかに一線を画するハイレベル。これがデビュー作とは、さすが恵まれた星のもとに生まれついている。


■作品データ
ヒカリサス海、ボクノ船
2008年9月6日(土)より渋谷アップリンクファクトリーにてロードショー
2008年/日本/カラー/117分/配給宣伝:GPミュージアムソフト/WILCO

スタッフ
監督・脚本:橋本直樹(WILCO代表)
脚本:橋本直樹(WILCO)、いながききよたか、阪井純(GPミュージアムソフト)
製作:山田浩貴
プロデューサー:崎本志織
エグゼクティブプロデューサー:山田浩貴(GPミュージアムソフト)
協力プロデューサー:狩野善則(Breath)
企画・協力:Breath
制作:WILCO
製作:GPミュージアムソフト

キャスト
仁科仁美
深水元基
松本まりか
仁科克基
小木茂光
六平直政
仁科亜季子




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