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Mr.ビーン

◆Mr.ビーンがフランスに行くとどうなるか (70点)

 男は歳をとると人前で涙を見せなくなるが、同時にバカ笑いをすることも減るのではなかろうか。メソメソした男も情けないが、公衆の面前でゲラゲラ笑ってる中年男はほとんど変質者だ。まあしかし、そんな事ができる数少ない場として映画館があるわけで、たまには純粋なコメディ作品を見るのも悪くない。というより、笑いは体にとても良い。そこで今回は、文句なしで大爆笑できる『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』を紹介する。

 主役はもちろん、あの男。およそ10年前、TVドラマが日本でも大ブームを巻き起こした、ちょいと自己チューな英国紳士、Mr.ビーン。映画版2作目ながら、演じるローワン・アトキンソンの言葉によれば、本作がその見納めとなる。

 今回ビーンは、福引でフランス旅行を引き当て、おりしも映画祭開催中のカンヌへと旅立つ。もちろん途中で100%自分自身の責任によるトラブルが発生。電車は乗り過ごすわ、タクシーには違う場所に連れて行かれるわ、言葉の通じぬ異国で大騒動を巻き起こす。

 前作『ビーン』(97年、米)は、映画化にあたってのキャラ設定に作り手の不慣れというか迷いがあり、TV版のファンの不評を買った。その反省を生かしたか、今回のビーンはまさにいつもの彼そのもの。とぼけた態度とテキトーな問題解決法で、全世界共通の笑いを振りまいてくれる。

 たとえば、初めて入ったフランス料理店で、意味もわからず頼んだメニューは英国人にはなじみがない生ガキ。そのあまりのグロテスクな風貌に仰天したビーン、食べたふりしてなんと隣の席のご婦人のハンドバッグへ全部ポイ。その後の展開は、ご想像にお任せする。

 映画ファンなら、カンヌ映画祭会場に入ってからの業界内輪ネタが気に入るだろう。ビーンに負けないほど、テキトーでいい加減なアメリカ映画業界人の姿には、思わず抱腹絶倒だ。

 途中から珍道中に巻き込まれるヒロイン役、エマ・ドゥ・コーヌはフランスの人気若手女優で、グラマーなナイスバディと童顔の組み合わせがとっても可愛らしい。ハチャメチャな物語は彼女の登場で徐々に収束していき、さわやかな感動(と爆笑)をもって大団円を迎える。とにかく痛快で、声をあげて笑えるコメディ。大いに笑って、2008年も福来る!?

■作品データ
『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』
Mr. Bean's Holiday
2008年1月19日(土)、日比谷みゆき座ほか全国ロードショー
2007年イギリス映画/カラー作品/89分/ビスタサイズ/ドルビーSRD/配給:東宝東和

スタッフ
製作総指揮:サイモン・マックバーニー
製作:ピーター・ベネット=ジョーンズ/ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー
製作補:キャロライン・ヒューイット/デブラ・ヘイワード/ライザ・チェイシン
製作総指揮:リチャード・カーティス
監督:スティーヴ・ベンデラック
脚本:ハーミッシュ・マッコール
脚本:ロビン・ドリスコル
撮影監督:バズ・アーヴァイン
プロダクション・デザイナー:マイケル・カーリン
衣装:ピエール・イヴ・ゲイロード
編集:トニー・クランストーン
作曲:ハワード・グッドール

キャスト
ローワン・アトキンソン(ビーン)
エマ・ドゥ・コーヌ(サビーヌ)
マックス・ボルドリー(ステパン)
ウィレム・デフォー(カーソン・クレイ)
カレル・ローデン(エミール)




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