トップページ激映画批評

激映画批評

バックナンバー


マリッジリング

◆「こんな子がホントに脱ぐの?」 (55点)

 我ら庶民の平凡なる生涯において、「不倫」は一番身近なドラマティック要素である。もっとも、するかされるかで、その味わいは天と地ほどの差があるわけで、官能ドラマになるか、メロドラマになるか、はたまた殺人ミステリになるかは時の運。願わくば、コメディで終わってほしいものだが。

 そんな不倫の悲喜こもごもを書かせたらこの人、いわずと知れた『失楽園』の渡辺淳一だ。『マリッジリング』は彼の短編小説の映画化で、上司と部下のOLという、いかにもありがちなシチュエーションがポイント。行く末ドロドロ、心中しましょ的なねっとり感はないものの、働き盛りのお父さんには身につまされる描写ありまくりの、リアル不倫映画となっている。

 主人公はOLの千波(小橋めぐみ)で、一応は女性視点の物語。有能そうな優男ながら、実は本社から左遷されてきた上司の桑村(保阪尚希)と、残業で取り残された夜がきっかけとなる。

 愛妻家といいながら、そんな時に高級レストランなんぞに連れて行くこの男。私に言わせりゃ、どうみても下心ありまくりである。やがて二度目のデートでスカしたバーに連れていかれ、そのままホテルにGO。

 桑村は決してオシャレスポットに似合うカッコよさも、気の利いた会話を持ち合わせているわけでもない。単に二人の心の隙間を埋めたいタイミングが合っただけ。特に千波は、ちょうど女友達の結婚話や、逆に不倫をエンジョイする体験談を聞いていた事に加え、多忙なカレシから放置プレイをくらっており、人肌恋しかったのだろう。

 実際、不倫の始まりなんてこんなモノかもしれない。ホテルでも、いきなりぎこちなくキスして始めたりと、細部まで異様にリアルだ。しかも嬉しいことに、演じる小橋めぐみは超のつく美人。清純派女優で知られる彼女にとって、これがもちろん初めてのヌード&濡れ場だ。あまりに可愛くて、本当にこの子が脱ぐの? と疑ってしまう事と思うが、ちゃんと真っ白なお肌をさらしてくれるのでご期待のほどを。

 それより問題は、これを誰と見に行くかだ。奥さんを連れて行っても喜ばないだろうし……逆に熱中されても困るわけだが。

■作品データ
『マリッジリング』
2007年12月8日、銀座シネパトスほか全国順次ロードショー
2007年/カラー/35mm/DTS/99分 配給:アートポート

スタッフ
監督:七里圭
原作:渡辺淳一(講談社刊「泪壷」より)
脚本:西田直子/七里圭
撮影:高橋哲也
照明:酒入康之
美術:桜井陽一
音楽監督:侘美秀俊
制作:円谷エンターテインメント
製作:アートポート
配給・宣伝:株式会社アートポート
宣伝協力:アルゴ・ピクチャーズ株式会社

キャスト
森谷千波:小橋めぐみ
桑村紀夫:保阪尚希
藤沢佳介:高橋一生
竹内絵里:中村麻美
太田康代:矢沢心




ページの先頭へ戻る