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オープン・ウォーター2

◆海嫌いを増やすシリーズ第2弾 (60点)

 夕食に鍋物が出ると、とたんに場を仕切りたがるお父さんがいる。いわゆるなべ奉行というやつだが、自信満々な割には単なるごった煮にしてしまうのがオチだったりする。それでも、はたから見ると微笑ましいものだ。

 こういう人は、たとえ会社じゃうだつがあがらなくとも、レジャーや旅行に出ると急にリーダーシップを発揮するタイプだ。そして、いまそこで自覚して頷いているアナタ! そんなアナタの肝を氷点下まで冷やす恐怖映画が「オープン・ウォーター2」(94分/ドイツ)。調子に乗ってヨットで遠洋に出向いた若者が、船内に戻るためのハシゴを出し忘れたまま全員で海に飛び込んでしまうシチュエーションスリラーだ。

 題名に「2」とあるが、完全に独立した内容。パート1は、おっちょこちょいの船長に人数を数え間違えられ、ダイビング中に大洋に取り残されたカップルの悲劇だったが、「実話が元」という点で共通している。

 こちらがより怖いのは、船内にスースー眠る赤ちゃんが取り残されているという設定。バカ若者だけなら自業自得と笑ってみていられるが、赤ん坊まで犠牲になるのはヒジョーに胃に悪い。なんともタチの悪い演出だ。

 最初は何とかなると思っていた男女ら(と観客)も、ほんの数メートルの船体をよじ登ることが相当な困難だとわかり、徐々に青ざめていく。経験不足から初歩的なミスを犯したお調子者のリーダーの気持ちが、鍋奉行のお父さんなら痛いほどわかるに違いない。

 助けになる道具はほとんど無く、着ているものは水着だけ。徐々に日は沈み、天候はやがて荒れ……。はたして彼らと赤ちゃんの運命はどうなるのか?!

 低予算ながら臨場感抜群で、いかにもありそうなシチュエーションは大いに恐怖を実感できる。パート1を観たときは、二度とダイビングはすまいと思ったが、コレを見て私は、もう絶対にヨット遊びなんてしないぞと心に固く誓った。そもそも、それ以前にヨットなんぞ持ってないだろうという話だったりもするのだが。

■作品データ
『オープン・ウォーター2』
Open Water 2: Adrift
2007年7月28日、銀座シネパトスにてロードショー
2006年/ドイツ/カラー/95分/配給:トルネード・フィルム、ショウゲート

スタッフ
プロデューサー:ダン・マーグ、フィリップ・シュルツーデイル
監督:ハンス・ホーン
脚本:アダム・クリュートナー、デイヴ・ミッチェル
編集:クリスチャン・ロンク
撮影:ベルンハルト・ジャスパー
音楽:ゲルト・バウマン
美術:フランク・ゴッド

キャスト
スーザン・メイ・プラット
キャメロン・リチャードソン
リチャード・スパイト・ジュニア
ニコラス・ランゲ
アリ・ヒリス
エリック・デイン



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