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ゲゲゲの鬼太郎

◆個性出まくりのオールスターキャストの中でもイチオシは田中麗奈 (75点)

 ゴールデンウィークなどと言うが、日本のお父さんに休みはない。家に戻れば子供や女房など、上司以上に手厳しい連中の相手をしなければならない。映画のひとつも観ようとしても、女子供の好みにつき合わされるのがオチ。ロッキーやスパイダーマンならまだいいが、聞いたこともないテレビアニメの映画版なんぞを見せられた日にゃ、ほとんど拷問に近い。
  ならば最初から、こちらが譲れるギリギリの線で交渉するのが大人の戦略。菊地凛子のオッパイ見たさに「バベル」を提案しても、どうせ最後は「名探偵コナン」に行くハメになるのだ。ならば意外なトコで「ゲゲゲの鬼太郎」(07年、日本)はどうか。
  原作はいわずと知れた水木しげるの妖怪漫画。幾度も映像化されているが、今度はCGをふんだんに使った実写版。この世を支配できるパワーを秘めた至宝"妖怪石"を、ねずみ男(大泉洋)が金目当てに質屋に売っぱらった事から始まる争奪戦。人間界と妖怪界を巻き込んだ壮絶な戦いと冒険を描く活劇だ。
  「鉄人28号」「デビルマン」など懐かし漫画を実写化して失敗する例が後を絶たないが、共通するパターンは「クソマジメすぎてドン引き」というものだ。ハリウッドのように100億円くらい予算をつけりゃ本格娯楽大作に仕立てることも不可能じゃあるまいが、日本じゃまずムリ。下手に背伸びせず、ウィットあるユーモアをちりばめる小品作りの王道を行く方が良い。
  その点こいつはよく出来ている。ねずみ男役の大泉洋の芸達者ぶりには何度も爆笑できるし、小雪や中村獅童など役者自身のキャラを生かした妖怪ぶりもいい。大人じゃないと笑えない内輪ウケ型のギャグが満載で退屈しない。
  「妖怪大戦争」(05年、日本)がヒットしたように実写の妖怪ものはいまどきの子供たちにも好評だし、鬼太郎を演じるウエンツ瑛士はティーンから奥様方まで大人気のイケメンアイドル。これを選んでおけば家族に文句を言われることもあるまい。映画自体も面白いから、楽しい休日を過ごせるはず。
  なお、お父さん的には猫娘役の田中麗奈のなりきりぶりに注目。ナマ脚がまぶしい猫ダンスのヘンな動きが何日も頭に残る。

■作品データ
『ゲゲゲの鬼太郎』
2007年4月28日、全国ロードショー
2007年/日本/配給:松竹



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