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バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

◆楽しめる層はかなり限定されるが、当てはまれば敵なしの面白さ (90点)

 『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』は、さしずめ35歳以上のオジサン限定とでもいうべきコメディ映画。なぜならコレ、90年代までのいわゆるバブル時代、あの狂乱の世に生きたものでなければわからぬ笑いに満ちているから。

 近い未来、財務省のある幹部(老けメイクの阿部寛)は、ついに破綻を迎えた日本経済の危機を救うべく、ひそかに開発した洗濯機型タイムマシンで発明者(薬師丸ひろ子)を過去に送る。バブル崩壊の引き金となった90年の大蔵省通達=総量規制を止めるためだ。しかし彼女は途中で消息を絶ち、弱った財務官僚たちは熟考の結果、彼女の娘(広末涼子)を同時代に送り込むことに。

 現代っ子のキャバ嬢でしかも借金漬けという、どう見ても日本経済を救うには不適切なこのヒロインが、バブル時代で直面する世代間ギャップが楽しい。バカみたいに金(経費)を使うサラリーマン、お立ち台の上、パンツ丸出しで踊るボディコンギャル。堅物だったあの財務官僚までもが、女の尻ばかり追いかけている。

 2006年では典型的なダメ人間の彼女が、この時代に来たとたん一番マトモに見えるってのは大笑いだが、同時にウーンとうなってしまう。笑われてるのは映画? それとも当時の自分たち?

 この映画を企画したホイチョイプロダクションズは、「私をスキーに連れてって」(87年、日本)など、あの頃リアルタイムでトレンディドラマ文化を作り上げた張本人。だから当時の六本木の風景や人々の会話など、ディテールまで再現性は完璧だ。

 一番痛快なのは、彼らがあの頃のバカ騒ぎを反省して、格差社会批判でもするのかなと思いきや、そんな立派な志など微塵も感じさせないノーテンキなままだったこと。まったく懲りずに堂々と自己肯定するその姿は、ある意味天晴れ。つねに卑屈になりがちなバブル後の庶民のひとりとしては、ちょっとだけ見習いたい。

■作品データ
『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』
2007年2月10日、日劇PLEXほか
2007年/日本/カラー/配給:東宝



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